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3.7.2.2 トランスリングの面材と強度
・T型とL型の強度特性の差は桁の両端で大きく、スパン中央では小さくなる。
・桁のスパンと深さの比が4.5以上になると、T型とL型の差が小さくなってくる。
・面材に垂直方向のウェブ付き防撓材の深さがその長さの10%弱あれば、平行桁中央での応力や撓みに、平行桁モデル、T型/L型で差が無くなる。
・標準のリングモデルでは、L3直線型の応力はコーナーR部でT型の30〜45%、L3R型では15%程度増加する。桁中央部では何れの場合も7〜8%増になる。
・面材をRに沿わせたT/L3R型では面材の面積増でコーナー部の応力を20%程度下げることも現実的であるが、L3直線型では効果が小さい。
・ウェブの板厚全体を上げれば大きな応力低減効果があるが、コーナー周囲のみにダブラーを設けることでも同程度の効果が得られる。この場合応力は板厚の平方根に逆比例する。
・トランスリングのウェブの端部に設けられているトリッピングブラケットは、応力面ではあまり寄与していない。
・桁の深さを変えずにリングのコーナーRを変えると、大きな応力低減効果が期待できる。
・タンク内圧が作用する場合は、コーナーR部の面材の降伏→桁の横倒れ→R部の全面降伏・ウェブのせん断座届→変形成長という挙動をする。
・ホールド側からの荷重に対しては、コーナーR部の面材の降伏→R部のウェブせん断座届・桁の横倒れ→変形成長という挙動をし、ホールド側からの方が崩壊荷重が7.6%小さかった。
・T型はL型より10%程度崩壊強度が大きいが、L型では18m程度の崩壊荷重を有しており、ケープサイズBCで考慮すべき水頭に対して上回る程度のものとなっている。
・トランスリングのコーナー部の最大応力とコストを代表値、鋼材重量・工数を参考値として、それぞれの相関を比較できる図表を作成し、必要な強度特性を得る為にはどのような構造が最も経済的であるか、簡便に検討する事を可能にした。
3.7.2.3 下部スツール基部
(1) 下部スツール基部の応力のピーク値ば、スツール斜板角度が90°の場合の方が70°の場合に比べ2割高く、応力分布も急峻になっている事がわかった。
(2) ダイアフラムについては、二重底のガーダー直上に配置している現状を大幅に減少させる事は強度上望ましくない。
(3) 目違いがあると局部曲げ応力が付加されるのでスツール斜板とフロアーの板厚は同厚にし、溶接施工を十分に管理する事が望ましい。
(4) ダイヤフラム内のスカラップ等は局部強度上有害であるので、できるだけ開けない事が望ましい。
3.7.2.4 二重底
(1) 二重底のみの簡易モデルに横隔壁、ビルジホッパーナックル部の影響を付加した結果と全体モデルの結果が概略一致し、当モデルの妥当性が証明された。
(2) 二重底簡易モデルの各種条件に対する結果より、二重底のたわみ簡易推定式を導いた。
(3) 二重底の桁板の最大応力の簡易推定式を導いた。
(4)二重底簡易モデルを使ってビルジホッパーを含む二重底の重量比較を行い、重量面で有利な構造が簡単に選択出来るようにした。

 

 

 

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